深夜。
豚骨ラーメンとエクレアを食べてから眠りにつく千影。

しかし千影は知るよしもない。
賞味期限が切れたエクレアが、翌日にキバを剥こうとは――。


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●3章目 賞味期限が切れたエクレア

「ふ~、ふ~。ずるずるずる~」

 時は深夜。
 あぐらをかいて美味そうに豚骨のカップ麺をすすっているのは千影だった。
 深夜アニメをリアル視聴して小腹が空いたので、寝る前の腹ごしらえというわけだ。

「冷蔵庫にエクレアも発見したし最高だね。ちょっとだけ賞味期限ブッチしてるけど」

 豚骨ラーメンのスープまで完食した千影は、エクレアにかぶりつくと、一瞬にして平らげる。
 甘いものは別腹だ。
 あとは歯を磨いて寝るだけだが……、

「その前にトイレ行っとこ」

 千影はみんなが寝静まった廊下を忍び足で進みトイレへと行くと、白のワンピースタイプのパジャマを捲り上げてショーツを降ろして洋式の便座に腰掛ける。
 降ろされたネコさんショーツのクロッチの裏側は、既に愛液でヌルヌルになっていた。
 さっきまで官能小説を読んでいたのだ。興奮すれば濡れるようにできているのだから仕方がない。

「はぁぁ~」

 しゅいいいいいいい……。

 おまたの力を抜くと、赤ん坊のようなパイパンから勢いよくおしっこが噴き出してくる。
 家だと思いっきりおしっこができるから好きだ。

 しゅわわわわわわ……。
 ――プシュッ。

 ぶるるっ。
 小さな身体を震わせると、千影の放尿はすぐに終わった。
 だけど千影はすぐには立ち上がろうとはしない。
 むしろお腹に力を入れていく。

「んっ、んんん~!」

 だけどどんなにお腹に力を入れても、大腸に眠っているモノは出てきてくれる気配さえもなかった。
 そろそろでてきてくれてもいいのに。

「もう二週間も出てきてくれてないよ」

 最後に出てきてくれたのは二週間ほど前。
 それっきり音沙汰なしだ。
 そのあいだに食べたものが溜め込まれているのだ。
 苦しいに決まっている。
 水分は大腸で吸収されておしっこになって、その残りカスはうんちになってカッチカチに固まっていることだろう。
 この二週間、食べたもののぶんだけ体重が増え続けていた。

「ううっ、おなかパンパンだよ」

 ハンバーガーにポテトフライ、それにカップ麺に鶏の唐揚げ。
 二週間食べたものが、この小さなお腹に詰まっている。
 おへその下が、ぽっこりと膨らんでいた。

「ぬぅ~、今日も出ない……」

 はぁ、
 ため息をつくと、ショーツを上げてトイレを出る。
 もうすぐ夜明けだ。
 それまでに睡眠時間を稼いでおいたほうがいいだろう。

        ☆

「……眠い」

 千影は不機嫌そうに呟く。
 目元には色濃いくまが浮き上がり、無造作に伸ばされた黒髪にはところどころ寝癖が立っている。
 時は五時限目の理科の授業中。
 昼休みで食べたご飯が消化されて、一日で一番眠くなる時間帯だ。

(あー、早く授業終わらないかなー。帰ってエロゲしてー)

 そんなことを考えながら、板書をノートに書き写していく。
 授業では食べたものがどのようにして消化されていくのかを解説していた。
 もっとも……、

(あたしのお腹には二週間分のカッチカチのうんちが詰まってるわけなんだけど……)

 順調にいってくれれば大腸で適度に吸収して排泄物にとして体外に出てくれるんだろうけど、千影の大腸にはたっぷりとうんちが詰まっている。

(今、こうしている瞬間にも水分が吸収されて、カチカチになってるんだよねー)
 
 どこか他人事のように考えていると――、

 ぐる、ぐるる~。

 お腹から、久しく忘れていた信号が発せられる。
 久しぶりすぎて、この感覚が一瞬なんなのかを理解することができなかったほどだ。
 だけどお腹は千影の意思とは無関係に、急速に覚醒していく。

 ギュルッ、ギュルルルルッ!

(はぁう!? この感覚は……まさかのお目覚め!?)

 二週間ものあいだ眠りについていた大腸が目覚めると、急に波打ち始めたのだ。
 まさか、授業中にいきなりくるだなんて。

(まだだ、まだ慌てるような時間じゃない……)

 自分に言い聞かせるように呟くも、しかし一度目覚めたお腹はそう簡単に収まってはくれない。

 ギュルッ!
  ギュルルルルッ!

(な、なにが原因だ!? 今朝食べたヨーグルト!? それとも深夜に食べた豚骨のカップ麺!? それとも賞味期限ブッチしてたエクレアか……!?)

 最近食べたものを思い返してみるけど、心当たりが多すぎてなにが原因なのか分からない。
 こうしているあいだにも、大腸は蠢動している。

 ギュルルッ!
  グルルルルルッ!

(こ、これはキツい……! 封印が解ける……!!)

 まるで大腸を雑巾絞りされているかのような痛み。
 あまりの痛みに額に脂汗が浮き上がり、背筋を滝のように汗が流れ落ちていく。
 教室の前にある時計を見上げると、授業が終わるまであと十五分もあるらしい。
 我慢できる自信など、まったくなかった。

(トイレに行かせてもらう!? ううっ、でも立ち上がっただけで、も、漏れそう……!)

 お腹に手をあてて、大腸が眠ってくれることをお祈りするけど、千影の意志とは逆にうねっている。
 意思とは無関係だから自律神経というのだ。

(どうする? どうする……!?)

 ギュルッ!
 ギュルルルル!
 …………ぷうぅ……。

「ぁっ」

 あまりのお腹の痛みに、おならをしてしまう。
 それはとても小さな音だったけど、静かな教室では十分すぎるほどに響き渡ってしまう。

『誰だよ、屁こいたやつ~』
『言い出しっぺが怪しいぜ』
『俺はこんなにくせー屁はしねぇよ』

 おならを聞いた男子たちが、途端に騒ぎ始める。
 まさかこんなに臭いおならを女子がしてしまっただなんて、男子たちは想像さえもしていないだろう。
 だけど、まだこれはプレリュードでしかない。
 本当の大決壊は、これからなのだ。

(あっ、むっ、むり……! お尻が、勝手にひ、ら、く……! パンドラの箱が……!!)

 メリメリメリ……。

 カチカチに固まったモノによって、直腸がこじ開けられていく。
 それはまるで石のように固くなっていて、千影という少女の小さなお尻の括約筋で止めることなどできるはずがなかった。
 
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つづく

2週間の時を経て封印が破られようとしている。
はたして千影は無事にトイレに辿り着くことができるのだろうか!?


☆ありがたいことに大決壊3が300DL達成しました!
大手と比べるとささやかな数値ですが、おもらしが好きな人には『刺さる』作品に仕上げられたと思います。楽しんでもらえたら嬉しいです!


大決壊!~誰にも言えない~