一鉄工房のブログにおこしいただき、ありがとうございます。
管理人のOIGUMO(老雲)です。

さて、今日のネタですが、立ち絵のないモブキャラを取り上げます。
誰のことかって? 島長と警備隊長のコンビのことです。
もちろん、ルーシャとリーザのことではありません。
エンディングだけに登場した、本物の、あの2人です。

ゲームのネタバレを含みますのでご注意ください。
ついでに、Hな要素は微塵もないので、期待してはダメです(笑)。
では、関心のある方は、以下の「続きを読む」をクリックされてください。
(続き)
続きを開いてくださり、ありがとうございます。

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エンディング1と2にだけ登場した2人。
ちょっと頼りない老人の島長と、
いいかげんな性格の警備隊長。
なんでこんな人物が、この島で
重要な地位を占めているのか。


実はこの2人には、モデルとなった人物がいます。
といっても、皆様がご存知の有名人、というわけではなく、
管理人がリアルで出会い、その人柄に触れた人物です。
かなりデフォルメはしていますが。

管理人が社会人になった頃、すでに老境にあった年代の方々で、
地方都市のさらに周縁部、農村という言葉が似合いそうな集落などで、
リーダー的存在だった人に、こうした性格の方が多かったように思います。
一見、好々爺といいますか、初見ではとっつきやすい。
小さな子どもはすぐに懐く。人柄はそんなイメージです。

でも、なにか重要な案件に話が移ると、交渉に困難を感じる。
話題を逸らす、言質を与えない、引き伸ばされる、ごまかされる。
その過程で怒気や迫力を出す警備隊長のようなタイプもいれば、どこまでも
穏やかな、島長のように、切り込んでも手応えのない真綿のような人もいる。

一緒に仕事をするには、しんどさや、もどかしさを感じるんだけど、
でも不思議と集落内では人望がある。修羅場にも飄々と突き進んでいく。
空気が読めないのではない。読んでなお、対処方法を心得た老練な態度。
その人が現れただけで、刺々しい雰囲気が和らぐ。休戦になる。
といっても、問題の抜本的な解決にはならないのだけれども。

不思議な人たちでした。最後まで底が見えない人たちでした。
そんな人たちの性格を、管理人は独自に解釈してみました。
そして、この2人に反映させてみました。

彼らは集落の調整役でした。調停者でした。
人の入れ替わりが少ない集落で、ひとたび諍いが起きると、感情的反目や
恨みが長きにわたり続きます。世代を超えていがみあうことも少なくありません。
その緊張に耐えることは常人には難しいことです。そのため、基本的には
争いが起きないよう、波風を立てないようにする風土が出来上がります。

また、それでも起きた諍いについては、解決を図る動きが出てきます。
裁判などの司法制度はあれど、日常生活の中にまでは溶け込んでいるとは
いいがたい状況の中で、まずは争いの当事者の間に調停役が入って
話し合いがもたれます。どちらか一方に肩入れせず、
両者の言い分を聞いて、なるべく関係者が納得できる方法を探るのです。

小さな集落では、こうした役割を果たせる人が、リーダーに推されるのです。
争いの当事者の感情をなだめ、自らの意見を表に出すことなく耳を傾け、
当事者や傍観者からの批難を受け流し、秘密を守り、辛抱強く時期を待つ。
そんな役割を果たす中で、こうした人格が築かれていったのだと思います。
むろんそれでも、解決できない問題への自責と他責にも耐えながら。

では、そんな人格を持たせた2人が登場した、エンディング1と2で、
彼らがどんな役割を果たしたのか、見てみましょう。
まずはこの2人が、事件の当事者である淫魔三姉妹をどう思っていたのか、
そこを確認します。その答えは、エンディング2にあります。

三姉妹が封印され、悔しさと悲しさで泣き叫ぶマリカの後ろで、島長と
警備隊長の会話が聞こえてくるシーンがありました。事件のせいで島を支配され、
窮地に立たされた2人でしたが、そこに、怒りや恨みは感じられませんでした。
エンディング1で明かされますが、実は2人は以前から、善良な淫魔の
存在にうすうす気づいており、事情を知って同情を感じていた、という設定です。

次に、エンディング1と2で、状況のどこが違うのかを確認しておきます。
最大の差は、ミッション9でボスとマリカの会話シーンを見たか、
言い換えれば、マリカが三姉妹と戦う意味を自覚していたかどうかになります。

エンディング1では、マリカは三姉妹と島民の共存をはっきりと願い、そして
主張します。ボスはそれを知っていました。三姉妹も話し合いを望んでいました。
エンディング2では、マリカは三姉妹の幸せを願いながらも、どうすればよいか
わからず、ボスもマリカの気持ちを知らず、三姉妹は殺されることを
望んでいました。このことは、島長と警備隊長の行動に大きな影響を与えます。

エンディング2では、2人は三姉妹に同情的ながらも、加害者が自ら処断される
ことを望む以上、これを翻意させる理由はありません。しかし、さすがに処刑は
重すぎると感じた2人は、話し合いの末、島内での封印という結論を引き出します。
将来、島が変化し、三姉妹の存在が受け入れられる環境が整うまで
眠っていてほしい、そう願ったのです。いわば、問題を先送りにしたのです。

一方、エンディング1では、マリカの想いやボスの考え、三姉妹の意思、
いずれも島長と警備隊長の心情に合致しました。しかしそれでも、
2人は加害者側に肩入れをするわけにはいきません。

そこで、被害者の声を聴くための、集会という場が設定されたのです。
間延びした意味不明の長い挨拶と、参加者の笑いをとる自虐ネタ。
ヒロインの目には頼りなく映った2人ですが、彼らは行動には意味があります。
被害者の感情を逆なでせず、場を和ませる。その後、2人は発言をせずに
参加者の声に耳を傾けます。そして、時期を見計らいます。

集会は、島民の質問、島民と三姉妹のやり取り、三姉妹のケンカと続き、
その後、意を決したララの謝罪と釈明、ボスによる状況説明と続きます。
自然とそうなりました。2人は司会役すら果たす必要もなく集会を見守っています。
そして、島民の多数の感情を確認した後、島長の裁定が発議されるのです。
島長は、平和的な解決を、島民が受け入れられる瞬間を見計らっていたのです。

もし2人が、三姉妹に対して怒りや憎しみを感じていたら、集会の行方は
違ったものだったかもしれません。集会で、一瞬、不穏な空気が流れた時に
島長が、「では、島の平和のために、どのような対応が必要か考えよう」と
提案したら、議題は三姉妹の処断方法へと移っていったかもしれないのですから。
その意味では、島長はなかなか老獪な策士です。もちろん、多数の島民の
感情という前提条件があってのことですが、彼の目論見は成功したのです。

というわけで、地味ながらもストーリーの上で重要な役割を
果たしてくれた、モブキャラについての解説でした。

・・・ごめん、長すぎた。
でも、こういうバックストーリー考えるの、管理人は好きなようです(笑)。

では、今日はこの辺りで失礼します。