「止めてくださいっ」

「新しいものは用意しているよ、心配しないでね。暴れると身体切っちゃうよ?これ結構鋭いから・・・」

そう言って気持ち悪く微笑むが、両足は二人の男にがっちりと掴まれて今の鬼灯では暴れるどころか脚をうごかすこともできない。
ショキショキとハサミが布を切る音だけが無感情に部屋に響く。時折当たる刃物の冷たい感触が鬼灯の肌を凍らせ、自分が置かれている状況に意識を追随させるのに精いっぱいだった。

スラックスを切られ、下着まで切りとられ、靴下も脱がされて鬼灯の下半身は裸にされてしまった。
上半身は黒スーツのジャケットに、大きくはだけられたローションまみれの白シャツという姿が、一層鬼灯を卑猥に見せている。

「いい姿ですね。実にエロい」

「上半身は着ていて、下半身は裸、というのはそそりますなあ」

「いやあ、こんな綺麗な子にこんなことしてしまっていいんでしょうかね?」

(いいわけないだろが・・・)

内心でそう思いながら、鬼灯は再び男たちを鋭く睨みつけようとしたが、下半身に感じたヌルつきに声が出そうになった。

「っ・・・!」

「一回イカせてあげようか」

「そうですね、このままでは辛そうだ・・・」

ローションまみれの手で自身を握られ、そのまま上下に擦られる。同じ男なので快感の感じ方は分かっているから、その分手管は巧妙だ。手首のスナップを効かせてくびれを刺激し、ローションのヌルつきも手伝って、声を抑えるのが精いっぱいの快感が押し寄せてくる。
視界をふさがれてその分神経が鋭敏になっていることも手伝って、鬼灯は一方的に与えられる快感にひたすら耐えるしかできなかった。

「うっ・・・ぐっ・・・!」

「おお、濡れてきた濡れてきた」

「機能は我々と同じようですな」

「おいおい、どんなモノを想像していたんだ?まさか緑色の精液でも出すとでも思っているのかい?」

そこで男たちの爆笑が耳に入ってきた。
それが鬼灯の神経を逆撫でし、怒りに油を注ぎ込む。薬の眩暈を振り切って、鬼灯は再び暴れたが、拘束している鎖がガチャガチャと金属音を奏でるだけだった。

「おや?怒ったかね?」

「くっ・・・この、ゲスども・・・っ」

鬼灯は上司と部下という関係性を無視し、男たちへ侮蔑の感情をぶつけた。しかし、男たちはその言葉に立腹するでもなく、平然とした雰囲気で鬼灯に話しかける。

「加々知くん・・・今はそう思うかもしれないけど、すぐに私たちに感謝するようになるよ?君の身体をとっても気持ちよくできるんだから・・・」

耳元で囁かれ、鬼灯に嫌悪感が湧き上がる。

「新しい快感をたくさん目覚めさせてあげるよ?もしかして君は体験済みかもしれないけど、我々はきっと誰にも負けないと思うんだけどねえ・・・」

(快楽の経験など、吐き捨てるほどしてきましたっ・・・)

自信ありげに宣言する男たちを目隠しの裏から睨み、鬼灯は思い出したくもない凌辱の数々を連想する。
人間の身体になって薬物を盛られ、いつもと勝手が違うとはいえ、彼らにこれまでの快感を塗り替えられるほどの手管があるとは到底思えなかった。

「んんっ・・・!」

胸の突起にローターを押し当てられ、快楽で思考が霧散させられる。この程度の刺激で意識を奪われてしまっている今の自分の現状に、鬼灯自身気付いていなかった。

「両足をもっと広げさせて、足裏がベッドに付かないようにしてあげてくれる?そっちのほうが気持ちいいから・・・」

そう言って男の無骨な手が鬼灯自身を再び握り込み、巧みな手さばきで擦りたててくる。

「んぐっ・・・!?あ、うぅ・・・!」

体勢に変化を加えられたことで感じ方が変わり、鬼灯はその強烈な快感に思わず声をあげた。
自分の身体が思った以上に快楽に弱くなっていることに、ここにきてようやく気が付き始め、鬼灯は焦った。

「や、止めてください、嫌ですっ・・・!」

喘ぎ声が出そうなのを堪えて、鬼灯が必死の声で叫ぶが、鬼灯が感じているのは男たちには筒抜けのようだった。