足であるケッテンクラートも壊れ、外敵も居なくなり不要となった銃を捨て、伝えるべき後世すら居なくなった故に不要となった日記も焼き。

 まるで身についた錆を落とすかのようにしてたどり着いた「一番上」は、彼女たちと同じく全てが削ぎ落とされた真っ白な世界。

 自分たちの人生はこれで正しかったのかというチトの問いに、ユーリもまた感情を雪玉にしてぶつけます。
 自分だって分からない。どうすれば良かったかも、自分たちがなぜこんな世界に生まれたのかも、と。

 産道のような暗闇の中、互いに素肌で握りあった手だけが、二人の感じた実感でした。
 そのときの二人は繋がり合い溶けあって、一つの生き物のようになっていて。
 やがて足元の地面、自分を包む空気、時間、宇宙もまた、一つの生き物だったのではないかとチトは思いを巡らせます。

 そして最後に二人がたどり着いた答えは、「自分の知覚こそが宇宙の全て」だということだったのではないでしょうか。

 これから死を迎える二人の後には何も残らない。
 自分が知覚できるもの、すなわち宇宙も、彼女たちと共に全て閉じてしまうから。

 醜い争いを無限に繰り返し、その愚かな過ちに気づくことなく、またゼロから繰り返す人類が復活することもない。
 完全なる終末。

「生きるのは最高だったよね」
 そう言い合いながら自分たちと共に世界も終わる。

 二人は救われたのかもしれません。

少女終末旅行 | くらげバンチ 第42回(完結)
 #少女終末旅行 @Bunch_Shinchoさんから