「あら、こんな時間にまだ残ってたの?」 

学校の授業はとっくに終わり、部活動で残っていた生徒も帰る時間帯に、俺は保健室へと入った。格闘部の練習中にちょっとした擦り傷を作ってしまったのだ。 

保健室に入ると、そこには、夕暮れの明かりに照らされた水無月響子先生がいた。 



「この学校の子達は本当に怪我をするわよねぇ~」と言いながら、俺を椅子に座らせ、擦り傷がある俺の右足に救急箱を持って近づいてきた。 

夕焼けに染まる保健室でゆっくりと先生が近づいてくる。響子先生のファンは学園内にも多い。俺は明日クラスのちょっとした自慢話として今日の事を話そうと思った。 

「あらあら、無防備な坊やね?何をニヤけてるのかしら??」 

響子先生が突然、救急箱を俺の顔面に投げつけてきたために、俺はその場に倒れ込んだ。そして、自分の右足に何か蛇のような、丸太のようなものが絡み付くのが解った。 

ぎゅうううううううううう!!!!!!膝十字固めが、俺の右足にガッチリと極っていた。筋肉質の丸太のような、そして何処か蛇を思わせるような、しなやかな脚が俺の右足の自由を奪っていた。 

「なっ!!!!!!」俺は突然の奇襲に驚いた。 


俺はすっかり学園の中で、平和ボケになっていたのだ。 

水無月響子は、根っこからの格闘家で、強い。彼女に関節技を決められたら、逃げられるものはそう多くない。 

「ウフフ、、、捕まえたわよ。まずは、貴方の利き足である右足を折らせてもらうわね。そらっ!!!」 

バキっ!!!!!! と鈍い音が響き、俺の右足の一部分から強烈に「痛み」を表す電気信号が全身に一瞬で伝わって行った。 

「いいわねぇ。ここの生徒は我慢強いもの。腕の1本や、2本折られた所で、叫んだり、泣いたりしないものね。。。。」 

水無月響子と「闘った日」を思い出した。 

俺は、バツとキョウスケというクラスの仲間とチームを組んで、水無月響子に挑んだ。三人がかりで、水無月響子1人と戦ったが、3人とも大きな深手を追った。 

彼女の戦い方は、彼女の得意とする足技と関節技で、3人の連携を徐々に崩していき、1人、1人、正確に倒していくのだ。 

最初にキョウスケが標的にされ、動けなくなった所を水無月響子の必殺技である「死の介護」によって、戦闘不能にされた。「死の介護」は、5つの関節技を連続してかけられる技で、逆エビ固めや、コブラツイスト、首4の字固めなどを一気に決められ、一瞬でKOされてしまう恐ろしい技だ。 

俺は残ったバツに、守られながら戦い、体力を温存しながら戦う事が出来たために、何とか勝利をおさめる事が出来た。だが、バツも俺を庇うために、「死の介護」を受け、戦闘不能にさせられてしまった。 

「ウフフ、懐かしいわねぇ。貴方の怯える顔、とっても良かったわ♪貴方のお友達が、私の「死の介護」で段々居なくなっていく・・・次は「貴方」が私の技に掛かる番かもしれない・・・そういう怯えた顔がとっても良かったわよ。」 

「、、、、や、、、やめてください、、、、」俺は全身が震えてくるのが解った。「死の介護」を掛けられたものは最低でも全治三か月、最悪の場合、死に至るのだ。 

「死の介護」の最も恐ろしい所は、最後の首4の字固めが、「締め上げる」ためのものでなく、「首をへし折る」ために使われているからだ。 

「今、貴方すっごく良い顔してるわよ。私の技を「想像」してる。「天国への階段」で貴方の内蔵が破裂するまで蹴り上げてもいいし、「奈落への補導」で貴方の背骨を粉々にしてあげてもいいわよ♪」 

「でも、貴方に掛ける技はもう決まってるのよ♪」そういうと、響子は俺の右足に強烈に極めていた膝十字固めを解き、俺の首周りに丸太のような筋肉質な太股を巻き付け始めた。 

「ウフフ、、、あなたのは特別バージョンよ。「へし折る」んじゃなくて、「締め上げ」てあげる。私の「死の介護」のメインディッシュである首4の字固めでじっくりとね♪」 

ぎゅうううううううううううううううううう!!! 

徐々に水無月響子は、自らの太股に力を入れ始め、水無月響子の太股の形が、俺の首周りを包む様に変形していく。 

「へし折ったら、貴方の怯える顔、長く楽しめないでしょ?頸動脈をゆっくり絞めて、意識が朦朧としてきたら、気管を絞めて、起こして上げる。別に、途中、失神してもいいわよ? ここは、保健室だし、私は保健の先生でしょ?さぁ、「死の介護」はじめるわよ、、、」 

ぎゅうううううううううううううううううう!!!! 

水無月響子は太股に強弱を付けながら、また絞める部分を微妙に調整しながら、俺を絞め続ける。その間、水無月響子は俺の顔を覗き込んだままだ。 

あたりがまっくらになり、技をかけている水無月響子の顔が見えなくなってきた頃、俺はようやく解放された。 

俺は口から涎と泡を垂らし、失禁もしていた。 



教室での予定していた俺の自慢話は、誰にも語られる事は無かった。