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「…静音ちゃん大丈夫?」
 少し経って、わたしのもとに幹也さんが来てくれたのでした。
「静音ちゃんの声がなかったら間に合わなかったよ。ありがとう」
 と言いながら、そっと頭を撫でてくれる。周りの人がわたしたちを避けながら冷ややかな目で見てくるけれども、幹也さんはそんなことを気にしていない。ただ、わたしのことを考えてくれてる。
「そろそろ、落ち着いた?」
「……はい、だいぶ」
 地面に座り込んだわたしに視線を合わせてしゃがんでくれていた幹也さんは、すっと立ち上がり、わたしに手を差し出した。……かっこいい。
「よいしょ。それで、静音ちゃん」
 まるで亡霊のように、わたしは幹也さんのされるがままになっていた。もうどうにでもなーれって感じ。
「見たところ、実家に帰る途中みたいだけど」
「はっ、はい!そうです!!」
 叫ぶように返事するわたし。正直、男の子の件で何年か分の緊張感を味わった上に、目の前には幹也さんがいるのだから、この場で死んでしまいそうな精神状態なのだった。
「次の電車まで時間はあるかな?」
 やりました!思い描いたシナリオ通りの展開。このチャンスを逃す手はない。
「そりゃあもう、大丈夫です!!日が暮れるまでお付き合いします!!」
「いや、日が暮れるまでは僕が無理なんだけど……」
 うあっぷし、言い過ぎたか。
「じゃ、アーネンエルベでゆっくり話そうか。男の子を救ったのは僕じゃなくて静音ちゃんだし、正当な報酬がないとね」
 それでも、運命には逆らえないのです。
「それで、幹也さん」
「ん?なに」
 どうにも、緊張しすぎてわけがわからなくなってるわたしは、無意識にとんでもないことを言い放った。
「スイカパフェにします」
「はい?」
 未来で視た言葉をそのまま言ったんだけど、残念ながらタイミングが間違っていた。ガクリ