sample313屋外で喚声とも怒号ともつかぬようなざわめきが湧く。
偽善面したマスコミの報道や、警察官が制しきれていない野次馬どものバカ騒ぎだ。
だが、今の俺達にとっては大事な証人である事に違いは無い。この大事なお客人連中には、それなりの
見返りも必要だ。
「もっとサービスしてやれ」
フードの奥で頷いたジョーが無造作に掴んだ花の頭を窓際へ押しやると、つられて体がやや前のめりに傾く。
必然的に行き場を失った乳房がガラスに圧し潰され、全裸緊縛というただでさえ異様な姿を、よりマヌケに
演出してやっている筈だ。
「くっ……」
花がかろうじて感情を押し殺した声を漏らす。罵声の一つも浴びせたいだろうが、さすがに銃を目の前にして
は、空手でもないだろう。目には涙が滲んでいる。悔しいのか羞恥のそれか、あるいは両方か……
口元をほころばせたジョーは無慈悲に、しかし動きだけは慈悲深く愛玩動物でも愛でるかの様に
花の頭に指を走らせ続けている。
いつも必要以上に隠されている尻も、今は案外と卑猥な曲線を丸出しにしている。

テレビは俺達の特番で埋め尽くされているが、この偽善者どもは予想通り、せっかくのプレゼントを報道
しようとはしていない。
被害者の人権うんぬんと、本音ではこれっぽっちも考えていない建前を振りかざしているのだろう。
恐らく編集で何の味気も無くなった映像を、さも有難げに繰り返し流すのが関の山だ。
だが、俺達にとってそれは問題ではなかった。むしろ好都合だ。

今、世間には哀れな被害者として知られているであろう、女三人こそ例えようも無い外道である。
一体俺達がどれだけ理不尽な目に遭ったか。
それを知らぬ世間の同情を買いまくった頃に、全てをおさめた動画をばら撒き、事の真相を世にうったえる。
レイプ被害者が、実は自ら求め狂う薄汚い雌豚だったと知られれば、女どもには生涯のダメージになるだろう。
たった今、俺の足下で互いをむさぼり合っている会長と副会長など、一財産を築けそうなほどの良い画だ。

じゅぷっという、くぐもり湿った音をお互いの股間に生じさせては仰け反る。
無論、当初は強制だった。
「互いを犯せ」
大して性体験もなさそうな二人に、レズの要求は耐え難いものであったろう。
しかし、緊縛された身体では抵抗もままならず、わずかに首を振って拒否らしき意思表示をするが、
「お前らのした事を思い出せ!」
銃を突きつけられていては、行為を継続するしかなかった。
やがて、互いの可憐な反応に興奮をおぼえたのか、喘ぎ、激しく身悶えしつつも、相手の反応を楽しむその顔
には愉悦の表情が浮かんでいた。
今や銃は二人に向けられてはいない。二人も見てはいなかった。
「んああぁぁぁっ!」
一際大きく肢体がくねると、もはや分別も不可能なほど、様々な体液が二人の周囲を取り囲んでいた。

「何よりの証拠だ…」
撮影の出来に満足した途端、警察からの着信が入った。
身代金一億を渡したいとの申し出だ。
ばかにしている。仮に金を受け取ったとして、この場を逃れる術など無い。
警察もそれがわかっていればこそ、話を合わせているに過ぎない。
しかし、そんな事はどうでもいいのだ。
警察も俺達の真の目的は理解していまい。
身代金交渉のための通話を万理・芽衣子・花にさせた事で目的は達している。
犯されながらの通話、この音声も非道な犯人からの身代金要求として報道されている事だろう。
無論、三人の悦びを含んだ「不適切な音声」を除いて。

身代金は渡すのだから、人質を解放しろと警察がうるさい。
せっかくだから、受け取りには人質の一人を行かせてみるか。
土産の動画を持たせ、アップロードを要求する。
「残った人質をタテに、削除禁止したらどうだろうな?」
皆、賛成の様だ。
マスコミ様だって本当は先頭切って流したいくらいだろう。
無数のコピー動画が作られ、ネットの世界で永久に残り続けるに違いない。
「あ……もしもし、警察?…」

END